開業85周年を祝う深紅の北海道スイーツ

北海道初の本格的洋式ホテルとして1934年に誕生して以来、街の発展を見守ってきた『札幌グランドホテル』。「料理は豊富なる北海道産の食材を充分利用し、続々来遊する都人士（とじんし）をあっと言わせる積りであります」という設立趣旨書の言葉どおり、今も北海道の魅力を発掘し、新しい食文化を発信し続けています。

　2019年にホテル開業85周年を迎えるにあたり、記念すべきスペシャルスイーツの開発が決定。「Best Pastry 2018 世界にひとつだけのスイーツ from北海道」でご指導いただいた、アジアNO.1パティシエの成田一世氏監修のもと、高田パティシエが現場を任されることになりました。

伝統を守りながら、新しい価値を発信するスイーツとは。そのヒントを探すため、高田パティシエは2019年1月に東京で開催された「サロン・デュ・ショコラ」を訪れました。

　「印象に残ったのは、ルビーカカオで作られたピンク色のチョコレートです」と、天然色に注目した高田パティシエ。同行した若手パティシエも、「スパイスが効いたチョコレートの、製造工程に興味が湧きました」と目を輝かせます。

　天然色の美しさとスパイスが香る大人の味わい。最新チョコレートに刺激をもらい、さらにイメージを膨らませます。

今回着目したのは、北海道の真っ赤なビーツ。深紅のペーストを生地に練り込み、焼き上がりを赤ワインのシロップにくぐらせてから、ビーツのペーストを混ぜ込んだジャムでコーティングして鮮やかな「赤」に発色させます。

　5種類の自家製ドライフルーツは、マンゴーまですべてが北海道産。池田町の「りんごブランデー」でマリネしてから生地に練り込み、ほろりと崩れる食感のために小麦粉もローストしておくのだとか。材料に手をかけ、色や香りのバランスに吟味を重ね、ついにスペシャルスイーツが完成しました。

いっぱいに広がるのは、生地にたっぷり染みこんだお酒とスパイスの香り。味わうほどに、ドライフルーツとナッツの風味が重なります。ほんのかすかに残る、ラベンダーの余韻…。「Grand Rouge 85th 果実と木の実の赤いケーキ」はシャンパンやワインと合わせていただきたい、大人のスイーツに仕上がりました。

　各地を訪ねて食材を探す高田パティシエにとって、材料は思い入れのあるものばかり。「スイーツを通して、北海道の食材の魅力を伝えたい」という思いを込めてお菓子づくりと向き合います。

　北海道の歴史と魅力が詰まった自信作は、2019年4月15日よりザ・ベーカリー＆ペイストリー／東館1階にて通年販売。特別な日を彩る、深紅のケーキにご注目ください。