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#ISSUE17

2023.05

愛され続けて35年!須磨海浜水族園の歴史と新たなステージ

兵庫県神戸市にあるさまざまな生きものに会える憩いの場として地元の皆様に愛されてきた須磨海浜水族園(愛称:スマスイ)。2023年5月31日、須磨海浜水族園は35年の歴史に幕を閉じ、2024年6月には「神戸須磨シーワールド」として生まれ変わります。閉園に向けてスペシャルイベントが行われた、須磨海浜水族園の様子をご紹介します。

#ISSUE17

2023.05

01 35年の歴史に幕。地域で愛された須磨海浜水族園が閉園

兵庫県神戸市の一角である須磨は、六甲山系の山々と海に囲まれた風光明媚な街です。古くは和歌や俳句にたびたび詠まれる景勝地として親しまれ、現在はハイキングや海水浴の人気スポットでもあります。

そんな須磨エリアで長年愛されてきたのが、須磨海浜水族園です。1987年(昭和62年)の開園から35年、前身である須磨水族館を含めると65年。地元の人からは親しみを込め「スマスイ」と呼ばれ、ラッコやイルカ、ペンギン、多種多様な魚など、たくさんの生きものを身近に感じられる憩いの場であり続けてきました。

長きに渡り、地域で愛され続けた須磨海浜水族園。須磨海浜公園エリア一体の再整備事業に伴い、2023年5月31日に惜しまれつつも、その歴史に幕を下ろしました。2024年6月には「神戸須磨シーワールド」として、新たなスタートを切ることが予定されています。
閉園に向けて、これまでの感謝の気持ちを伝えるスペシャルイベントを開催した須磨海浜水族園の様子をレポートします。

02 水族園で念願が叶う!閉園プロジェクト「あなたの夢を叶えます」

5月末の閉園に向け、須磨海浜水族園では「閉園プロジェクト」が立ち上げられ、その目玉企画として「夢プロジェクト」が実施されました。2014年と2015年の2回にわたって行われた大人気企画が復活。1,000件以上も寄せられた「水族園で叶えたい夢」の中から、5つの夢が選ばれました。

「リクガメの飼育員体験をしたい」という夢を叶えたのは、12歳の女の子。「クリクリした目がかわいい」とリクガメに一目ぼれし、自宅でも2匹のヘルマンリクガメを飼育中とか。この日はウミガメやリクガメの飼育を担当するスタッフと共に、飼育員の仕事を体験しました。

長靴と水族園のロゴ入りユニフォームに着替え、まずはエサの準備から。牛やウサギのエサにもなるイネ科の牧草を計量し、水分補給のための白菜も用意しました。須磨海浜水族園では、4頭のケヅメリクガメを飼育しています。

カメたちを巣穴から「カメ山」と呼ばれる餌場に誘導し、4頭の特徴と見分け方を説明してもらったら、エサやりの前に月1回の体重測定に挑戦。カメたちが体重計の上で動かないよう、甲羅をひっくり返して測定します。小さい個体で約30キロ、大きい個体で60キロを超えるカメを裏返すのは、なかなかの重労働!2人で息を合わせて体重計の上に乗せていきます。

体重測定を終えた後は、エサやり、カメたちの甲羅のそうじ、巣穴や餌場のそうじなどを体験しました。体力がいる仕事ですが、念願のリクガメを間近にした女の子は大満足の表情を浮かべます。

飼育体験が終わってからも、「病気のサインが知りたいです」「将来飼育員になるためには、何をすればいいでしょうか」など、メモを片手に熱心に質問する姿も印象的でした。

03 大好きな水族園で夢のショップ店員に挑戦

大阪府から駆けつけた12歳と8歳の兄弟は、園内のミュージアムショップ「コーラルショップ」でショップ店員になる夢を叶えました。スマスイの常連で、バックヤードツアーにも参加したことがある2人。今回のプロジェクトには、コーラルショップが大好きな8歳の弟くんが応募したそうです。

閉園を間近に控えた日曜日とあって、園内は親子連れやグループなど、たくさんのお客様で賑わっています。レジ精算を終えた商品を袋に入れてお客様に渡したり、商品をキレイに並べなおしたり、足りなくなった商品の品出しをしたりと、様々な仕事に取り組みました。

ショップの隣にある人気コーナー「ぬいぐるみクジ」では、案内係を担当。お客様が引いた紙製のくじをめくって「〇等です!」とご案内し、景品であるウミガメのぬいぐるみを渡します。一等のビックサイズのぬいぐるみの当選者に、元気よく鐘を鳴らして「おめでとうございます!」とお祝いする大役も体験することができました。

普段は見ることができない、ショップ店員の細かな仕事ぶりを体験することができた2人は、「楽しかった!」と仲良く口をそろえます。体験後は兄弟でぬいぐるみクジを引き、欲しかったアイテムも購入。たくさんの思い出とぬいぐるみを胸に、水族園を後にしました。

このほかにも、須磨海浜水族園ではゲストを招いてのトークイベントやワークショップ、これまでのスマスイを振り返るプロジェクションマッピングなど、来園者の皆様に感謝を伝える多彩なスペシャルイベントが行われました。

04 「スマスイ」から「神戸須磨シ―ワールド」へ!地域のにぎわいの拠点に

「本当に地域の皆様に愛されている水族園です。」と振り返るのは、営業支配人の戸澤周一さん。
水族園の閉園が決まり、「今まで親しんでくれた方々に感謝の気持ちを伝えたい」というスタッフの想いから、いくつものスペシャルイベントが生まれました。特に大切にしたのは、長い間水族園に携わっているベテランや、地元・須磨出身スタッフの意見です。夢プロジェクトも、地元出身スタッフの発案で実現したのだとか。

「飼育体験や1日ショップ店員体験では、心から楽しんでもらえたのが伝わってきましたし、“大水槽の前で太鼓の演奏をしたい”という夢を実現してもらった時は、スタッフ一同も迫力のある演奏を間近に観ることができ、会場が一体となるのを感じられました。お客様とのふれあいが難しい時期もありましたが、閉園前にこうして再び夢プロジェクトを実施できて良かったと思います」

最終日には「笑顔と感謝のスマスイラストデー」と題したセレモニーが開催され、地元の小中高の生徒たちによるダンスや思い出作文の朗読などのパフォーマンスが行われました。「地元の皆さんとの繋がりがあってのスマスイ。最後まで、心行くまで楽しんでもらえたら」と企画されたセレモニーは大いに盛り上がりました。

閉園後は2024年6月の「神戸須磨シーワールド」のグランドオープンに向けての準備がスタートします。

「これまで大切に飼育してきた生きものたちはもちろん、新しい生きものも加わって、さらに見ごたえのある楽しい水族館に生まれ変わる予定です。スマスイがある須磨海浜公園の整備と合わせて、神戸を代表するスポットとして、ますます地域を盛り上げていきたいですね」

水族園の閉園後は、新しい水槽に生きものたちを引っ越しさせるという大プロジェクトが待っていると戸澤さん。新たな歴史の第一歩に向けて、スタッフ一丸となった万全の体制づくりが進められています。

神戸市立須磨海浜水族園

親、子、孫と3世代の想い出をつくる水族園。神戸市民の皆様に長きにわたり愛されてきました。皆様への感謝の気持ちを胸に抱え、新しいステージへ歩みだします。

神戸須磨シーワールド(2024年6月開業予定)