#ISSUE14
2022.10
心から自信を持てる食材をお客様へ 札幌パークホテルのサステナブルな取り組み
緑豊かな中島公園に寄り添うように建つ札幌パークホテルが9年前から取り組む野菜の自然栽培や、今年スタートさせたホテルの屋上を活用した都市型養蜂について、レポートします。
#ISSUE14
2022.10
01 野菜の自然栽培や都市型養蜂で素材から作る札幌パークホテルの挑戦
札幌パークホテルでは、北海道の自然を最大限に生かした食をお客様に提供しようと、サステナブルな取り組みに力を入れてきました。
北海道・札幌市の中心部にあり、歴史ある札幌パークホテルでは、2014年から自然農法を取り入れた自社農園を運営し、無農薬・無肥料で野菜づくりに取り組んでいます。畑で収穫した野菜は、その日のうちにホテルの厨房に運ばれ、お客様に提供されています。
また22年の春からは、屋上の一部を使って都市型養蜂もスタートさせました。
そんな札幌パークホテルの取り組みをご紹介します。
02 「種が風土を吸収し、おいしく育つ」自然栽培に取り組むグランビスタファーム
グランビスタ ホテル&リゾートの自社農園「グランビスタファーム サッポロ」は、札幌市の郊外にあります。
2014年、農業コーディネーター高木晃さんの指導を受け、500平米の畑で自然栽培をスタート。農薬も肥料も使わず、雨水と土の自然の力だけで、じゃがいもやピーマン、トマト、ナス、ズッキーニなどを栽培しています。
「1年目は、驚くほど何もできませんでした」と振り返るのは、札幌パークホテルの澤田さん。それでもあきらめることなく挑戦を続けます。2年目に少し手ごたえを感じ、3年目からは大収穫。以後、毎年、畑の野菜から種を取って苗作りから手がけます。厨房のスタッフ自ら畑に足を運び、素材の大切さを学ぶ機会にも。
「毎年、種が風土を読み込み野菜が進化するというのが高木さんの教えでした。農薬にも肥料にも頼らず、野菜本来の力で育つから味が濃くておいしいんですよ」と澤田さん。
厨房のスタッフもできる限り畑に足を運び、自ら収穫した野菜をホテルに持ち帰ります。
「自分たちで作っているから、その野菜が育った環境もしっかり理解しています。そして、何よりおいしい野菜です。お客様にも自信を持って提供できます」と澤田さんは胸を張ります。
03 ホテルの屋上で都市型養蜂をスタート。札幌の四季を映すはちみつの味とは
現在、世界的にもミツバチの数が激減し、食糧危機を招くと問題視されています。その理由は、食料となる作物の受粉にミツバチが欠かせないから。ミツバチを保護することは、食料の持続的な確保にもつながります。
札幌パークホテルでは、野菜の自然栽培に取り組んできた経験から、ミツバチがいなければ野菜が育たないと考え、今年4月、安全面に配慮しながら養蜂に乗り出しました。
ミツバチたちはホテルから半径2km圏内で蜜を集めて、屋上の巣箱に戻ります。ミツバチたちは隣接する中島公園や豊平川など、周囲にある季節の花や樹木から甘い蜜を運んできます。
「春はアカシア、夏はシナやユリ、ハーブ類もたくさんあります」と話すのは養蜂を担当する本間博之さん。7月に初めての採蜜を行いました。「初めて採れたはちみつは、透明感があってさっぱりした味わいです。ほのかに桜も香ります」と本間さん。採蜜は年3回。時期によって蜜源となる植物が変わるため、味わいも変化します。
はちみつの味わいが変わるのは、自然が多様な証拠。養蜂を通した環境への取り組みはまだ始まったばかりです。
04 サステナブルな取り組みを料理やお菓子でお客様と共有
グランビスタファームで収穫された野菜は、レストランでお客様に召し上がっていただけます。
トマトやズッキーニなどの夏野菜を使ったパスタは、毎年、大好評の一品。
グランビスタファームで栽培しているフルーツほおずき「ノーザンチェリー」は、甘みと酸味が絶妙で、栄養価も豊富です。
「ノーザンチェリー」 や 今年初めて採蜜したはちみつを、どのようなメニューでご提供できるか、あれこれと考えを巡らせているところだそう。どうぞ、今後にご期待ください。
さらに、ブライダルのシーンでは、新郎新婦が事前に畑で収穫した野菜をお料理にして、披露宴の席でご提供するというサプライズも。
さまざまな趣向を凝らして、札幌パークホテルのサステナブルな取り組みをお客様と共有してまいります。
大地と自らの力で育つ自然栽培の野菜、ホテル周辺の草花が香る天然のはちみつなど、札幌パークホテルの取り組みは、少しずつ実を結んでいます。これからも安心・安全な「食」の提供に向けて、さまざまな取り組みを行ってまいります。
札幌パークホテル
中島公園内に位置し、都心にありながらも、緑豊かで閑静な環境です。自社農園による安心・安全な「食」のご提供など、あらゆるシーンでご満足いただけるおもてなしを実践。都市のオアシスでごゆっくりとお過ごしください。
GRANVISTA FARM SAPPORO
開園当初より一切の農薬や肥料を使用しない木村式農法での栽培を実践しています。農園の開墾及びメンテナンスには、新入社員や若手社員が中心となって参加しています。食育と食を提供するホテルとして、生産者の側にまわり、食の安全とその大切さを学んだり、食べ物をつくることの喜びや大変さを学ぶ機会にしたいと考えています。