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一人ひとりが、パークホテルでした。

SAPPORO PARK HOTEL STORY

19642027

お客さまや従業員、このホテルに関わるすべての人たちが、
少しずつ積み重ねてきた時間。
まさにそれこそが札幌パークホテルをつくってきたのです。
一人ひとりの胸のうちにある記憶をたどりました。

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このホテルを
支えてきたのは、
人だった。

パークホテル歴 41年

総支配人 齊 広樹

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札幌パークホテルは、来年2月、その役目を終えます。
60余年、このホテルが存在し続けてきたのは、建物があったからではありません。
ここで働いてきた従業員、ここを訪れてくださったお客さま。
その一人ひとりが積み重ねてきたものが、札幌パークホテルなのだと思います。

私たちには、創業時から受け継がれてきた「三愛精神」という理念があります。
「人を愛し、国を愛し、勤めを愛す」
理念というより、毎日の仕事の中に、ずっと息づいてきたものでした。

稼働に余裕のある日には、より見晴らしのよいお部屋へとご案内する。
レストランでお誕生日と知れば、コースの最後に、お祝いを添える。
誰かに指示されるわけではなく、スタッフが自然に考えて動く。
「お客さま第一」というと、ありふれた言葉かもしれませんが
このホテルでは、それが日々の動きそのものだと感じます。

閉館にあたり、もちろん寂しさはあります。
しかし、来てくださるお客さまへの気持ちは、何も変わりません。
いつも通り、心を尽くしてお迎えし、お見送りする。
最後の一人まで、このホテルが続けてきたことを貫き、
最後の一日まで、このホテルとあり続けたいと思います。

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変えてきたこと、
守ってきた味。

パークホテル歴 42年

総料理長 / 副総支配人 吉田 郁雄

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ローザンヌ、ロマーナ、パーククラブ。
私は札幌パークホテルの洋食を、長くお預かりしてきました。

料理人として転機になったのは、若い頃にお会いしたフランス人シェフでした。
それまで札幌のホテルでは、デミグラスベースのソースが主流でしたが
フォン・ド・ボーを使う技法と、アサリやハマグリの出汁と数種類の洋酒を煮詰めて合わせる、
画期的な料理が持ち込まれました。
その時に受けた衝撃が、いまの私をつくったのだと思います。

38歳でコンテスト入賞を果たし、その後パーククラブの調理長を任されました。
ここでは、料理の技術だけでは通用しません。
お客さまの席へ伺い、その日の気分やお酒、会話の流れを見ながら料理を組み立てていく。
それが、パーククラブの文化でした。

こうした経験から生まれた料理のひとつが、「トリュフそば」です。
トリュフを練り込んだ蕎麦に、そばつゆのジュレを合わせて、まずは前菜として。
器に残ったジュレに蕎麦湯を注ぎ、最後はスープとして楽しんでいただくお料理です。
「蕎麦にトリュフなんて邪道」と言われたこともありましたが
お客さまの期待を超えるために、変えるという決断も時には必要です。

札幌パークホテルの料理は、人を想う料理。
お客さまに寄り添うことから生まれるこの味を、今後も伝えていきます。

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ホテルは、
街の中で
生きている。

パークホテル歴 49年

宿泊課 ロビーサービス / 元副総支配人 T. M.

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札幌の街には、長く愛されてきた場所がいくつかあります。
札幌パークホテルも、そのひとつだと思います。

私が入社したのは、まだ「ホテルの営業」という仕事が珍しかった時代。
お客さまをお待ちするのではなく、街に出て、ご縁を結びにいく。
最初は失敗も多かったものの、数を重ねるうちに、少しずつ根づいていきました。

最も印象に残っているのは、札幌コンサートホールKitara内レストランの立ち上げです。
札幌市からお話をいただいた当初は、ホテル外の出店ということで、
会社では慎重な考えもありましたので、札幌市と交渉を重ねました。
紆余曲折ありましたが、最終的にオープン半年前に正式に決定いたしました。
おかげさまで多くのお客さまに足を運んでいただき、
さらに、そこから新たな広がりも生まれました。

この経験から改めて感じたのは、
このホテルは、建物の中だけで完結するものではないということ。
中島公園の景色、人の流れ、街とのつながり。
それらすべてが結びついたのが、札幌パークホテルだと思いました。

中島公園のそばに、このホテルがあった60余年。
ここで、皆さまとともに札幌の一風景をつくってきたことを、幸せに感じます。

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相手を想う、
その先にサービスがある。

パークホテル歴 42年

総務課 / 元食堂支配人 T.A.

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ホテルマンとして、半世紀ほど働いてきました。
宴会場、食堂、パーククラブ。さまざまな場所でお客さまと向き合ってきました。

長く続けていると、お客さまのほうから、
「お任せします」と言ってくださる場面が増えていきました。
お客さまが、私たちの仕事を、見ていてくださっている。
札幌パークホテルが続けてきたものを、信頼してくださっている。
そう感じる瞬間でした。

札幌パークホテルは、長く皇室の方々や公賓の方々をお迎えする機会に恵まれてきました。
その時々のお気持ちに、最も寄り添える形を探りながら、お迎えしてきたと思います。
その積み重ねを、外からも評価していただき、
千歳基地で、自衛隊の方々に接遇の研修をさせていただいたこともありました。

サービスで大切なのは、「何をするか」より、「どう感じていただくか」。
その人が大切にされていることや場面ごとの空気を読み、
必要な時には自然に寄り添う。
それがお客さまの信頼へと、つながっていったのだと思います。
最後の日まで、その流れを絶やさず、お客さまをお迎えいたします。

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見えないところに、
心くばりと品格を。

パークホテル歴 44年

宿泊課 客室管理 / 元宿泊副支配人 S.S.

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このホテルでの最初の仕事は、電話交換係でした。
私は「13番です」と番号で名乗り、コード式の交換台を動かしていました。

そこから10年経って、客室係へ移りました。
お客さまがお部屋へ入られる前の空間を整える仕事です。

ホテルは、毎日少しずつ歳を重ねていきます。
絨毯がほつれる。家具に小さな傷がつくことだってあります。
毎日、お部屋ごとに状態をしっかりと見ていきます。
また、廊下では、壁紙にそっと触れながら歩きます。
壁紙が浮いているところは、音が違うのです。
小さな違和感を見逃さず、どこに兆しが出てくるか、思いを巡らせる。
それも、客室係の仕事のひとつです。

長くお越しくださるお客さまには、それぞれのお好みがあります。
コンセントは、束ねてナイトテーブルへ。ボディソープではなく、固形石鹸を。
一度いただいたご要望は、次の機会には何も言われなくてもご用意します。
このホテルが、ご自分の家のように過ごせる場所であるように。

華やかな仕事ではありません。でも、こうした見えない積み重ねも、
札幌パークホテルをかたちづくってきたのだと思います。

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